レストランでワインを頼む時、頼みたいものをすぐに決められますか?
なかなかすぐには決められない方も多いのではないでしょうか?
特に、ソムリエがいるような敷居のやや高めのレストランだと尚更緊張したりして…
不肖にわか所長、さすがにワイン屋さんをやっているだけあって少しばかりワインの知識も蓄えているつもりではありますが、正直に言うと・・・ワインをオーダーする時にはいまだに少し緊張します。
例えばうちの奥さんと外でワインを飲む時でも、
ワインどれにする?選んで―。
となる場合が多いのですが、即決するのはなかなか大変。
先月、結婚記念日だったので仕事の休みを合わせて奥さんと一緒にかなり背伸びをして贅沢なランチのお店に行ったんです。
計画的に休みを合わせていたので二人ともお酒飲む気満々。
グラスの赤ワインを頼もうとソムリエさんに声をかけ、ラインアップを聞いてみたら
赤ですと、ナパ(←Napa Valleyというアメリカ・カリフォルニアの有名なワイン産地)の○○○と、ボルドーの赤が△△△と□□□の2種類、計3種類ございます。
とのこと。
嗚呼、悩ましい…
どれも飲んだこと無いけどおそらくボルドーの方が少し酸味があり、カリフォルニアの方が濃い味なんだろうなぁ、とはいえそもそも個体差もあるだろうし、そこまで味の明確な差もあるかわからないし・・・これ以上うちの奥さんとソムリエさん待たせちゃうのも悪いし・・・
散々悩んだ結果、まさかの思考停止モード。
「次の料理に合うであろう赤ワインをくださいっ!!」※ランチコースだったので
かしこまりました。
しばらく待って出てきたのがこれ。
エチケット(ラベル)を見た瞬間に背筋が伸びました。
マルゴー・デュ・シャトー・マルゴー 2014
フランスはボルドー地方にあるシャトー・マルゴーというワイナリーの3rdワインです。
だいたい世界中どこのワイナリーもそうなんですが、手持ちのブドウの中にも品質の特に良いものから造るファーストワイン、その他をセカンドワインやサードワインというようにランク分けしています。(レシピを変えたりもします)
シャトー・マルゴーさんには“シャトー・マルゴー”という1stワインがある(まんまかいっ!)んですけどこれがすごくて!
ざっくり言うとお正月の格付けチェックで100万円のワインに選ばれるクラスのものです。
なので、3rdワインでもそれなりのお値段がしますし(1本およそ20,000円レベル!)、この3rdワインって実は流通量が少ない、知る人ぞ知る銘柄。ワイナリー的裏メニューとでもいうべきか…
当初のラインアップに無かったワインじゃん!
超絶ラッキー!!
たまたま開いているのがあったので!
普段家で晩酌に使っているワインとはさすがに違います。そもそも価格が違うんだけど。
香りは強いし雑味は少ないし、口の中に渋みが残らないでスーッと消えていく感じ・・・
その後出てきたお肉のタルタルと一緒に、大変美味しく頂きました!
あと会計をした後で気付いたんですが、他のグラスワインと同等の「少しお得な値段」で飲めたみたい。
ワインリストを見ながらあれこれ悩むのはとても楽しい時間ですしそれが自分でできるのが最もスマートなのだろうとは思いますが、もし迷いに迷ってしまった際には、ソムリエさんに全幅の信頼を置いて任せちゃった方が「アタリ」を引ける確率が上がるかもしれません。
今回の私のケースのように裏メニュー的なワインに出会える場合があるのもありますが、
一番大きな理由は
そのワインが「今、本当に美味しい状態にあるかどうか?」を知っているから
そして
そのお店の料理に最も合うワインを知っているから
です。
レストランにおいて、特にグラスワイン用のワイン(既に抜栓済みのワイン)の場合、ソムリエさんは
- 抜栓してからどれくらいの時間が経っているか?
- 香りがちゃんと開いているか?(抜栓して空気に触れた後の方が美味しくなるワインもあったりします)
- 時間が経ちすぎて香味が劣化していないか?
といったことを毎日チェックしています。
オススメを聞いて委ねることで“その料理に最適な最良の状態にあるワイン”を提供してくれる可能性が高まるということ。
ソムリエとて人間。頼りにされたら気合も入ります。よね?
迷ったら思い切ってお任せしてみましょう。
自分もお店もWin-Winです。
※ソムリエさんはブドウの形をしたバッジを付けているのが目印です。
なおブドウのバッジが無くても、詳しいスタッフさんもたくさんいます。
今後ワインをオーダーされる時のご参考になればうれしいです。
それでは皆さま、本日も良い一日をお過ごしください。