私が住んでいる横浜には様々なプロスポーツチームがあります。野球はベイスターズ、サッカーならマリノスや横浜FC、バスケットボールならビーコルセアーズ、その他スポーツチームもたくさんあります。残念ながら今はあまり行くことができませんが、基本的にスポーツ観戦が好きな私は、コロナ禍になる前まではそこそこ頻繁に子供を連れて出かけていました。
プロスポーツのスタジアムも一昔前とは随分変わって、場内アナウンスはMCのようなスタンスになり、プレーの合間に歌やダンスの催しがあったり、スタジアムの周りには多くの屋台が出ていたりして、ただスポーツを観に行く場所からそこで出会うすべての体験を楽しめる総合的なエンタテイメント空間に変わりつつあります。
そこで重要なアイテムになってくるのがその場を一層彩ってくれる飲食物(遊びに行くのに飲食物は切っても切れません)。そしてその中でも最も多くの人が注文し、口にするものが・・・そう、ビールです。私の知る限り、どこのスタジアムに行ってもビールは必ず手に入ります。さらにプロ野球のいくつかのチームではスタジアムのビールの売り子さんが自身の売り上げ数を競うイベントを仕掛け、その結果がニュースになるほどの重要コンテンツ。そもそも試合中にグラウンドに背を向けて観客席を練り歩くシステム自体が、よくよく考えてみれば凄いことです。
実際私も、スポーツ観戦に行った際には必ずビールを飲みます。もともとビール大好きなので。恥ずかしながら飲みすぎて試合中に寝たこともあります。(反省)
私は以前ビール関連会社に勤めていましたが、その頃から今に至るまでビール人気が着実に衰退していることを聞かされてきました。実際に出荷量も10年以上過去最低を更新していますし、「もう出荷量の公表をやめる!」と宣言した超大手ビール会社もあるくらいです。なのになぜ、スタジアムではビールがあんなに売られ、流行っているのか・・・
その答え、私はきっと「手軽さ」なんだと思っています。お酒を飲まれる方は想像がつくかと思いますが、本来であればビールは飲み口がなるべく薄いビアタンブラー、もしくはキンキンに冷えたジョッキで飲むのが最も美味しいはずです。しかしスタジアムでは、みんな家ではめったに使わない紙コップやプラカップで飲んでいます。それでもあんなに美味しい!!というか本当はベストコンディションでは無いのだろうけれど、もはやそんなことはさほど気にならないという意識が私も含め世間に染みついているということなのでしょう。細かいことを気にせず飲めるお酒の代表格ですね。
さて、そんなビールと比較してワインはどうでしょう。
それはもう、落ち着いた環境でワイングラスを使うのが一番美味しいと思います。香りがわかりやすいし、見た目もきれいで優雅な雰囲気も演出してくれます。しかし、その雰囲気は逆に「普段から飲むにはちょっと構えてしまうお酒」となってしまっていないか?と感じています。あくまでも個人的な意見ですが日本においてビール人口よりもワイン人口が圧倒的に少ない理由、私はそこにあると思っていて、細かいことは気にせずもっとワインを気軽に捉えてくれてもいいのになぁと思うのです。
私がこの一年間、知識ゼロの状態からワインを勉強し、ある程度ワインを飲んできた中でわかったことがあります。
・ワイングラスでも普通のグラスでも、ワインは美味しく、楽しく飲めます。
・おつまみがポテチや煎餅でも、ワインは美味しく、楽しく飲めます。
・オシャレな服でもよれた部屋着でも、ワインは美味しく、楽しく飲めます。
私は夕食の時に毎日ワインを飲んでいますが、ワイングラスではなくコップを使っています。もちろんワインの味も、食事との相性もさほど変わりません。さらに言えば洗い物も楽です! ワイングラスも美味しい生ハムもオシャレな雰囲気もあるに越したことはない。でも「ワインだってビールと同じで、自分の普段の生活に合わせた形で楽しんでいいものなんだ」ということが、この先少しでも多くの方に伝わっていくといいなと思っています。
それでは華の金曜日。今夜はお近くのお店でリーズナブルなワインを買って、ご自宅で普段使っているグラスに注いでみてはいかがでしょうか。
皆さまのワインライフがより一層、身近なものになりますように。