週末、暖かかったので近所を歩いていていたら「今年もあの嫌な季節がやってきた」ということに気付かされました。かれこれ15年以上の付き合いになる花粉症、幸いにも薬を処方してもらったりするレベルではないのですが、体内センサーが見事に反応。これから約2ヶ月間、目のかゆみ、鼻水、くしゃみが続くと思うと本当にげんなりします。花粉症持ちの方、一緒に頑張りましょう!というか耐えましょう・・・((+_+))
さて今日は第2回にわかワイン講座、テーマはワインの歴史とさせて頂きます。そもそもにわかワインファンがワインの歴史を知る必要があるのか??という話もあるんですがそれはひとまず置いておいて、知っているとワインを選ぶ楽しみが増える(かも)というレベル感でお伝えしますので、気楽に読んでください。
歴史なので諸説ありますが、ワインの歴史は紀元前5000年頃に遡ると言われています。場所はジョージア(アメリカではなくヨーロッパのジョージアです。2015年まで日本語表記ではグルジアでしたので、こちらの方が馴染みがあるでしょうか)。果実を壺に入れて発酵させていたのだとか。紀元前4000年頃にはギリシャ、紀元前2000年頃にはルーマニアと、主に東ヨーロッパの国々でワイン造りが始まっていきます。現在ヨーロッパの代表的なワイン産地はフランス、イタリア、スペインといった西ヨーロッパ諸国ですが、歴史の上では東欧の方が先なんです。意外ですよね。
現在の銘醸地である西ヨーロッパでは紀元前1000年頃スペイン、紀元前8世紀頃イタリア、紀元前6世紀頃フランスに、といった感じでブドウ栽培技術が伝わったとされています。西暦0年頃には西欧各国でもワイン醸造が始まったということ。こうして、ワインはまずヨーロッパで発達していきました。
そこからワイン造りが海を渡るには長~い長~い時間がかかります。ヨーロッパ以外の地域で本格的にワイン造りが始まるのは、なんと16世紀。まずは西欧からチリ、アルゼンチンに伝わり、17世紀に南アフリカ、18世紀にアメリカやオーストラリア、19世紀にニュージーランド、日本といった具合。この頃の日本は明治時代からですから、歴史でいうとまだまだなんですね。世界史の授業でも文明の発達はまずヨーロッパからだった、といったようなことを習った気がするので、だいたい同じ流れですね。正直もう忘れたけど。
そんなわけでワインの歴史においてはヨーロッパとそれ以外の地域でこんなにも歴史の差がある状況から、ワイン業界ではヨーロッパ以外のワイン生産国のことを一括りに「新世界」とか「ニューワールド」と呼んでいます。南北アメリカ大陸、南半球、アフリカ、アジアも全て、ヨーロッパ以外は新世界に分類されます。この言葉、わりと皆さん(業者さんとか店員さんとかワイン好きの一般の方も)使われていますので、今後耳にすることがあるかもしれません。そんなときはざっくりと「あ、ヨーロッパ以外の国のことね」と覚えておくと、会話の中で混乱せずに済むと思います。(なお、一説には世界最古のワイン製造は中国で行われていたという話もあるのですが、一般的には中国もニューワールド扱いです。)
さて、今までワインを飲んできた中での私見ですが、私はヨーロッパよりニューワールドのワインの方が相対的に「当たり」を引く確率が高いという感覚を持っています。ニューワールドは本当にコストパフォーマンスが良いワインが多いです。歴史的に後発である分、ヨーロッパから伝わった技術をさらにアップデートしてワイン造りに取り組めるからかな、と勝手に想像していますが、そもそも低価格のワインが多く流通しているためにそういったことが起こりやすいということもあるのかもしれません。お近くのスーパー等で1本500円前後の輸入ワインを見かけたら、ボトルの裏ラベルをチェックしてみてください。生産国が必ず書いてありますが、その殆どがニューワールド諸国のはずです。気軽に飲めるニューワールドのワイン、お勧めです!
では、そろそろ今回のまとめに入ります。
・ワインの発祥はフランスやイタリアではない
・ヨーロッパ以外の国におけるワイン造りの歴史は400~500年、意外と浅い
・欧州以外の生産国は「新世界」「ニューワールド」と呼ばれがち
このくらい覚えて頂ければもう十分!!
冒頭でも書いた通り、わざわざ歴史を知る必要があるのか??というのはツッコまれると弱いところ。というかそもそも歴史なんか知らなくてもワインは十分楽しいものなのです。とはいえ、今後ワインを選ぶときにこうした歴史的背景も、選ぶ楽しさを増幅させる一つの参考(ネタ)に使って頂けたらいいなと思います。
それでは皆さま、今日も良い1日をお過ごしください。私はこれから知人がいるワイン屋さんへ支援(購買という名の支援)へ行ってきます。
ヨーロッパのワイン生産国のことを「旧世界」「オールドワールド」と呼ぶらしいですが、どういうわけか、実際にこのワードを会話の中で発している人にはお会いしたことがないです・・・(所長調べ)